数値化の鬼 著者:安藤広大

【本の簡単な紹介】

 本書は、成長に必要な『数字』を使いこなすことの大切さについて学べる本です。そして「仕事ができる人」「急成長する人」の持っているモノサシを手にいれ、自己管理能力を高めることができる一冊になります。

【本と出会ったきっかけ】

 以前の私は、具体的な目標を立てずに闇雲に努力するだけでした。ですが、闇雲な努力はゴールが見えないため、相当意思力の高い人でなければ続けることが出来ません。私も勿論、意思力の高い人間ではないため、中途半端にいつも終わっていました。そんな自分を変えたいと思い手に取ったのが本書となります。

【こんな人におすすめ】

 自己成長したい人、客観的な見方・考え方ができるようになりたい人、説得力のある文章・話がしたい人、仕事ができるようになりたい人

 

《ここからは、本書で私なりに大事だなと感じた部分を引用しながら紹介します》

  • 『数字』とは、誰が見ても分かる『客観的事実』

  ー数値化の鬼ー

 『数字』とは、なんでしょうか?

 数字とは、誰もが共通して認識・理解ができるモノ(事実)です。つまり、曖昧な表現を持つ言葉とは違い、具体的な事象を表すモノが『数字』なのです。

 例えば、あなたの母親が、あなたにこんな事を言ったとします。

「仏壇に備えるりんごを、いくつか買ってきて」

さて、あなたは、りんごを何個買えばいいでしょうか?答えは、1個?2個? 

もうお分かりですね。

そう。答えは〝わからない〟です。

では、〝わからない〟となる理由はなんでしょうか?

もう気づいている方もいるかもしれませんね。その理由は、〝『数字』が入っていないため〟です。

 言葉には偉大な力がありますが、限界もあります。ここで、その限界が分かる事例を紹介します。

【言葉だけの目標】

 次のベンチプレス重量の目標は、今の重量から少し重い重量にしよう。

【言葉+『数字』の目標】

 次の ベンチプレス重量の目標は、今の『102.5キロ』から『110キロ』にしよう。

上の事例からも分かるように、【言葉だけの目標】よりも、【言葉+『数字』の目標】の方が明確な基準が分かるため、どこまで頑張ればいいかのゴールが見える状態です。

 つまり、何が言いたいかというと、言葉だけでは曖昧な目標設定や伝え方しかできませんが、『数字』を含めることで「具体性」「明確な基準」を作りだすことが出来ます。

 そして「具体性」「明確な基準」があると、誰もが分かるゴール(目標)や話が出来るようになります。

 言葉の中に数字を含めることは、目標やコミュニケーションの質を高めます。また、目標設定に数字を含めることで、行動への迷いが無くなり、努力に対する継続力がグンと高くなりますよ。

(例)英語力を上げる→TOEIC で800点とる

   販売力と企画力を強化する→売り上げを15%アップさせる

  • 成果を出すには「変数」を見つけろ。そして、「定数」は、さっさと諦める。

  ー数値化の鬼ー

 成果を出すには、「変数」に対してアプローチ(行動)していくことが重要です。これは、仕事ができる人が大事にしている考え方でもあります。

 ここでいう「変数」とは、〝変えられる事象〟を指しています。「定数」は〝変えられない事象〟のことです。

 例えば、学校には席次(学校内の成績順を表したもの)がありますよね。

 今、あなたが学生だとして、得意教科・苦手な教科があるとします。では、得意教科・苦手な教科のどちらを中心に勉強した方が、席次が上がる可能性が高いでしょうか?

 ここで、『仕事ができる人』『急成長する人』は、臆することなく苦手な教科を中心に勉強します。というのも、得意教科の勉強での点数アップより苦手な教科の勉強による点数アップの方が大きい可能性が高いことを知っているからです。

 つまり、努力の方向も大事だということです。一番変化する可能性の大きいものからアプローチ(行動)すると、成果も出やすくなりますよ。

  • 目標を達成するための「目標のための目標(KPI)」を作る

  ー数値化の鬼ー

 目標を達成するためには「目標のための目標(KPI)」を作ることが、目標達成のキー(鍵)となってきます。

 ちなみに、KPIはK(Key)P(Performance)I(Indicator)の略称です。

 KPIとは、いわば目標を細分化したものです。

 例えば、「来年留学したいから英語を話せるようになりたい」という目標があったとします。この目標に必要な能力を列挙してみましょう。

  • 英単語を覚える
  • 英文法を覚える
  • 発音を覚える

 このように、目標達成のためには、列挙した3つの目標を達成する必要があります。

 これが、「目標のための目標(KPI)です。」

 また、このKPIも『数字』を含めることで、よりゴールを明確にし、行動力・継続力を高めることが出来ます。

  • 英単語を覚える→英単語を『1日10個覚える』
  • 英文法を覚える→英文法を『1日3個覚える』
  • 発音を覚える→英会話教室に週2回通う

 

 以上が、私が本書で特に大事だなと感じたことです。本書には、他にも数多くの『数字』を活用する大切さや方法を紹介しています。「自己成長したい」「具体性のある話をしたい」という方は、是非、本書を手に取ってみて下さい。ともに『数値化の鬼』を目指していきましょう。

 ここまで読んで頂き、ありがとうございました。また次回もお楽しみにお待ちください。