HAPPINESS 幸せの授業 著者:樺沢紫苑

【本の簡単な紹介】

 本書は、『人が幸せを感じている時とはどういう時か』を脳科学から分析した結果を基に、『幸せの正体』、そして『幸せを掴み取る方法』について紹介されている一冊です。お金・仕事・人間関係・健康が上手くいく方法を学ぶことができます。

【本に出会ったきっかけ】

 最近は、脳科学を基にした本が増えて来ていますよね。皆さんは、脳科学と聞くと、どんな印象を受けますでしょうか?私は『面白そう!』です笑。というのも、以前から脳科学や心理学に興味があり、大学でも必修ではなかったんですが、心理学について学んでいました。その中でも、私たちの人生のテーマとも言える『幸せ』について勉強したいと思っていた時に出会ったのが本書になります。

【こんな人におすすめ】

 幸せはどんな時に感じるか知りたい人、幸せの正体を知りたい人、幸せになりたい人・掴み取りたい人

 

《ここからは、本書で私なりに大事だなと感じた部分を引用しながら紹介します》

  • 幸福の正体は〝三つの脳内物質〟

ドーパミン』→お金や成功、名誉、達成の幸せ

オキシトシン』→愛や繋がりの幸せ

セロトニン』→やすやぎ、リラックスなど心と体が健康な状態で感じられる幸せ

 実は、人が幸福を感じるのは、脳で分泌される『脳内物質』が原因だと最近の脳科学で判明しています。その『脳内物質』は3つ。『ドーパミン』『オキシトシン』『セロトニン』です。順に1つずつ説明していきますね。

 ドーパミン』→お金や成功、名誉、達成の幸せ

 人は、お金を稼いだり、成功したり、名誉を頂いたり、何かしらの達成をした時に『ドーパミン』が脳から分泌されます。『ドーパミン』が脳から分泌されると、人は〝幸せ〟を感じます。また、『ドーパミン』は快楽物質とも呼ばれていて、やる気を出してくれたり、より快楽を求めてドーパミンを引き起こした行動の強化(行動を繰り返す)にも繋がります。

 つまり、『ドーパミン』は、〝幸せを感じさせる〟ものであり、人の意欲や行動の活性化を促すものです。

 ここまで聞くと、『ドーパミン』の良さを知って頂いたと思います。では、ここからは『ドーパミン』の怖さも知っておく必要があるので、その〝怖さ〟も紹介させて頂きます。

 『ドーパミン』が脳から分泌される行為の中には、〝人に悪影響のある行為〟もあるということを知っていて欲しいと思います。いわゆる〝依存症(やめたくても、やめられない状態)〟に繋がる行為です。

 例えば、「お酒を飲む」→アルコール依存症。「パチンコで大当たり」→パチンコ依存症。「スマホの長時間使用」→スマホ依存症。「買い物を沢山する」→買い物依存症。「ゲームを長時間する」→ゲーム依存症。「薬物を使用する」→薬物依存症。などなど。

 上述した行為は、全て『ドーパミン』を脳から分泌させます。その『ドーパミン』が行動の強化(行動を繰り返す)に繋がり、〝依存症〟になるのです。

 では、どうしたら〝依存症〟を防げるのか?それは、悪影響のある行動を減らす・止めることで、『ドーパミン』の過剰分泌を抑えることが大切です。

 そして、『セロトニン』を分泌させましょう。実は、『セロトニン』はドーパミンの過剰分泌を抑えてくれる働きをします。では、次は、この『セロトニン』について、詳しく紹介していきます。

 セロトニン』→やすやぎ、リラックスなど心と体が健康な状態で感じられる幸せ

 人は、やすらぎ、リラックスしているなど心と体が健康な状態の時に『セロトニン』が分泌されています。この『セロトニン』も〝幸せを感じさせる〟働きがあります。

 「咀嚼を増やす」「トリプトファンを含む食べ物を摂る(バナナ・大豆製品など)」「朝日を浴びる」「リズム運動(散歩・ジョギング・筋トレなど)」が『セロトニン』を分泌させる行為になります。

 また、『セロトニン』は睡眠と深い関係があります。皆さんは、夜ぐっすり眠れていますか?ぐっすり眠れていない方は、実は『セロトニン』不足かもしれません。

 というのも、夜ぐっすり眠るためには『メラトニン』が必要だからです。この『メラトニン』も脳内物質の1つなのですが、『メラトニン』を分泌するためには、『セロトニン』が材料になってくるのです。また、『メラトニン』は元気で若々しくいるために欠かせない働きをしてくれますよ。

 オキシトシン』→愛や繋がりの幸せ

 人は、人との繋がりを感じる時、『オキシトシン』が分泌されています。『オキシトシン』は、コルチゾール(ストレスホルモン)を下げ、扁桃体の興奮を抑えて、不安を減少させます。また、記憶力や学習能力を高めるなど、脳を活性化させてくれる働きもあります。

 『オキシトシン』を分泌させる行為としては、主に二つあります。

 一つ目は、「スキンシップ」です。「見つめ合う」「手を繋ぐ」「家族と団欒」「仲のいい友達・親友との食事や会話」「ペットとの触れ合い」などなど。

 二つ目は、「人に優しくする」です。『オキシトシン』は別名〝思いやりホルモン〟と言われています。「人に親切にする」「プレゼントをあげる」「助け合う」「マッサージする」などなど。

 幸福感が足りないと感じている時は、「思いやりのある言動」を意識してみると、『オキシトシン』がでて、幸福感を感じることに繋がりますよ。

  • 幸せの優先順位(幸せの三段重理論)

 『セロトニン』→『オキシトシン』→『ドーパミン

        ーHAPPINESS 幸せの授業ー

 人は、幸せになるために努力しますが、その努力にも「健康」であるという土台が必要となってきます。著者である精神科医 樺沢紫苑さんは、幸せを感じる『セロトニン』『オキシトシン』『ドーパミン』の三つの幸福を手にするためには、この三つの順番が大事だと述べています。

 その順番が、『セロトニン』→『オキシトシン』→『ドーパミン』となります。

i-voce.jp        より引用

 努力には「健康」が不可欠です。もし、努力によって目標達成、夢が叶ったとしても「健康」に満足していなければ、〝幸せだと感じない〟可能性が高くなってしまうためです。

 まずは、『セロトニン』と『オキシトシン』という自身の健康状態(土台)をしっかりと整えた上で、『ドーパミン(努力や成果)』を積み上げていくことを意識してみて下さい。

 

 以上が、私が本書で特に大事だなと感じたことです。脳の仕組みや『幸せの正体』を知ることで、より今を大切に、楽しく生きることに繋がります。本書には、他にも脳科学に基づいた『幸せの正体』や『幸せを掴み取る方法』について紹介されています。是非、機会があれば本書を手に取ってみて頂きたいと思います。

 ここまで読んで頂き、ありがとうございました。また次回もお楽しみにお待ちください。